外が暑過ぎます!
今が真夏の暑さだったら8月はどうなるのでしょうか?
こんにちは。
JR吹田駅直ぐの整体院‐CUBISM‐で院長をしているSUGURUです。
今まで腰痛の話が多かったので、この辺で膝の痛みのお話を一つしたいと思います。
膝から離れた部位が原因で引き起こす膝の痛み
〇症例1
先月、56歳のスーパーのレジで働く女性が膝の痛みを改善すべく私のもとへ来られました。
5ヶ月前から膝の痛みがひどくなってきて、スーパーの仕事も行けなくなってしまい、長い間休ませもらっているとのこと。
近所の整形外科でX線検査をすると変形性膝関節症と診断される。
注射治療や電気治療を試みるも痛みは和らぐどころか増す一方であった。
次に行った整骨院でも膝の周りを揉んだり動かすも痛みは変わらなかったようです。
この時点まで膝以外の部位を疑うことなく治療が進んできたことに大変疑問を覚えますが、一般的にまだ『痛みの部位=痛みの原因』として治療するような治療院が多いのでしょうか?
話を戻します。
まず初めに、この女性の膝の周囲を丁寧に手で触りながら調べてみるも痛みを引き起こすような原因は見当たりませんでした。
しかし、股関節の周りにある筋や太ももの内側にある筋に痛みを引き起こす部分が認められた為、施術を加えながら膝を動かすと痛みは大幅に軽減されました。
半信半疑だったこの女性の患者さんも、痛みがその場で軽減すると大変喜んでいました。
今まで一度も痛みが軽減するような感覚がなかったみたいで、不思議そうでもありました。
しかし、初回で痛みは軽減されるも、膝の痛みは日が経つにつれて再び戻ってきたとのこと。
かなり慢性化していた部分もあって一回で簡単に大丈夫という状態にはいきませんでした。
そのため痛みが完全に緩和され、気にならなくなるのに5回ほど施術を必要としました。
で、この症例の女性の膝の痛みですが、膝自体の問題で痛みが出ていたわけではなく、大腿部の筋や股関節や腰部の筋などからくる関連痛であったことがわかりました。
※関連痛とはトリガーポイントなどの原因が離れた部位に起こす痛みのことです。
だから、膝自体をいくら治療しても膝の痛みが改善しなかったんですね。
「もっと早く気がついて治療してもらえていたら5ヵ月も仕事を休む必要はなかったのに~!」と悔やんでおられましたが、本当にその通りですね。
実際、整形外科でX線検査から膝の軟骨や骨の病変があったしても必ずしもそれ自体が痛みの原因であるとは限りません。
膝が痛くて膝に治療するも良くならないのなら、他の部位を疑うことは絶対にするべきだと私は思います。
狭いところだけを掘り下げるだけでなく広い目で体を観ると、「なるほどそうだったのか~!」ってことがよくあります。
痛みとX線検査の相互関係
私は今まで整形外科で変形性膝関節症と診断された患者さんを施術してきました。
その経験から変形性膝関節症の関節に痛みが起きる原因は、軟骨の損傷や軟骨下に起きた構造上の変化によるものというより、関節やその周囲の筋などの組織の変化によるものが原因ではないかと思っています。
実際に臨床の現場では変形性膝関節症の痛みとX線検査での変化の進み具合とが一致しないことは多々ありました。
だからX線検査で膝関節に変形性関節症が起きていたとしても、必ずしも膝自体の原因で痛みが起きているとは言えません。
X線検査の結果だけを鵜呑みにして痛みの原因を決定するのはあまりに簡易すぎます。
もっと注意深く体の状態を調べる必要があるでしょう。
それには患者さんの体を触って異常を見つけていくといった地味な作業が必要になります。
時間がかかります。
でも、原因を見つけないといつまでたっても良くならないのでひとつひとつ丁寧に触って確認して観ていくしかありません。
近代化によって機械やコンピューターによる検査が大部分を占める現代医療ですが、まだまだ人間のすべてが解明できたわけではありません。
人の手といった古典的な方法を使う方が良い場合はまだまだあります。
これからも古典的な人の手を使った「手あて」の可能性を信じて日々研鑽していきたいと思います。
※股関節の変形性関節症に関しては例外があるのでまた別の機会にお話しします。
追伸
今日ご紹介した変形性膝関節症と診断された女性の患者さんですが、無事にスーパーのレジの仕事へ今月初めから復帰されました。(良かったですね‼)
定年が伸びたことで60歳以上でも働く人が増えました。
定年を超えても働くことは良いことですが、健康面もしっかりケアすることを忘れずに!
今日の一品
治一郎のプリン。
濃厚で美味い。